第22回 議 会 報 告
平成22年1月24日
別府一倖会での講話から抜粋
志免西小学校、増築か・分離新設か?
今後、志免西小学校では児童数の増加が見込まれるところから、西校区運動広場
(柏木)に新校舎を建設して欲しいとの請願が、昨年12月定例議会に提出されました。
議会にて審議の結果、賛成議員8人、増築で対応の議員6人で請願が可決されました。
私は、増築で対応すべきであるとの意見を申し上げました。
なぜ増築か
日航15,600人、井筒屋600人の人員削減検討と不況のニュースは毎日のように流れる、
今デフレ不況の真只中、住宅関係では給与・賞与がダウンし、ローンの返済が
不能となり、泣く泣く住宅を手離す事態も起きている。校区内の住宅建設計画が、
どう進められていくのか先行きは不透明。児童増加の予測も難しい先の見えない
状況下にあります。したがって、児童の増加を増築で対応できるならば、厳しい
財政状況からしても『増築』の道を選ぶべきと判断致しました。分離新設
(新校舎建設)については、児童の増加状況や少人数学級の動きを見極め
学校再編と併せて検討すべきであります。以下、次の4点について、
私見を申し添えます。
1. 志免西小学校の児童数の見極め。
2. 財政状況からの見極め。
3. 大規模校の子どもに与える影響は。
4. 校区再編へ全町的議論を。
1. 志免西小学校の児童数の見極め(予測)
今後の平成22年から24年までの3年間の児童の増加状況を見極め確度の
高い数値を把握の上判断すべきである。現在の予想では不透明部分が多すぎる。
(1) 西小学校児童の増加予測    
(H21年10月作成)
推計算出法 22年 23年 24年 25年 26年 27年
A コーホート要因法推計 1,083 1,113 1,144 1,173 1,204 1.234
B 文科省 住墓 1,016 1,055 1,105 1,142 1,212 1,248
算出法 開発 1,075 1,156 1,228 1,283 1.366 1,409
Bの住基(案)では、H」26年又はH27年度から教室不足が生じる。
Bの開発(案)では、H23年又はH24年度から教室不足が生じる。
注) 児童数増加のピークは、H27年度。Aは、1,234人、Bは、1,409人。
(2) 西小学校児童、平成28年度から減少へ
(H21年10月作成)
(3) アネシス分譲後(平成6年)の児童推移
推計算出予測より(人) 27年児童数 32年児童数 37年児童数 42年児童数
コーホート要因法推計 1,234 1,190 1,086
文科省推計(開発) 1,409 1,360 1,240 1,050
アネシス分譲開始、平成6年 平成7年 平成12年 平成16年 平成20年 予想平成26年
児 童 数 94人 157人 182人 141人 83人
入居後、10年で児童数はピーク、その後は減少へ
(4) 日本の人口は減少期へ突入
戦後、右肩上りに増加してきた人口も平成16年1億2,775万人をピークに
平成17年以降は死亡者数が出生数を上回り、年々人口は減少、平成20年は
1億2,749万人でピーク時の平成16年比−26万人の減少となりました。
こうしたなか、人口の伸びているところは東京・愛知・大阪の三大経済圏と
九州の福岡と沖縄など15都府県のみで、32道県は減少、市町村においても
70%以上が減少、本格的人口減少時代へ突入したと判断されます。
これからの町の基本計画にも大きく影響してくると考えられます。
2. 財政状況からの見極め
 身の丈 90億円の予算へ我慢、辛抱のとき
町の財政は危機的状況下にある。90万円の収入しかないのに100万円の
暮らしを続けてきた。不足分は貯金と借金でやりくりしてきたが、貯金は
底をつき借金は膨れ上がり、こんな状況をこれからも続けていけば破綻は必至。
今一番大事なことは、歳出をできるだけ切り詰め90億円の歳入の範囲に
収束させることが急務。財政状況の見極めを。
(1) 増築費と新校舎建設費の対比
増築の事業費(2億6千万円) 校舎建設の事業費(20億5千万円)
事 業 年 度 (2年) 事 業 年 度 (3年)
H22年からH23年(2年間) H22年からH24年(3年間)
工 事 内 容 工 事 内 容
特別教室2教室、普通教室6教室の
増築で1,400人まで受入れ可。
普通教室16室、特別教室、特別教室10教室
及び体育館並びにプール、運動場等の整備
増築で1,400人の児童が受け入れられ、増築費用は新築費用の1/8で済み、
且つ児童への教育環境に支障がないとすれば増築を選ぶのが至当である。
(2)公立学校施設整備計画(H22年〜H26年)
  西小の耐震補強工事と併行して増築工事を
 ※ 工事内容:耐震補強及び大規模改造工事他
年 度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 H26年度
整備予定
学 校 名
西小 41百万円 西小 468百万円 西小 170百万円 西小 145百万円 東中 172百万円
志中 448百万円 志中 417百万円 志中 269百万円 東中 315百万円 南小 20百万円
東中  21百万円 東中 235百万円 東小 408百万円
東小 20百万円 総 計
事業費計 4億89百万円 9億06百万円 6億94百万円 8億68百万円 1億92百万円 31億5百万円
平成22年〜26年の5年間にわたり、西小・南小・志中・志東中4校の耐震補強及び
大規模改造工事(概算事業費31億5千万円)が計画されている。西小増築の場合、
当計画工事と併行して進められれば最も効果的・効率的である。
3. 大規模校の子どもに与える影響は
Q&A
Q1.児童が多すぎて、1人1人の個性を伸ばす教育が難しくなるのではないか。
A .児童が増えても、<u>クラスの人数</u>は40人以下で、今と何ら変わらない
  補助教員の配置を増やし、徳育・学力を伸ばすことに今迄以上に注力できる。
Q2.これ以上、児童の増加となれば運動場が狭くなり、体育館も全員で
    利用するのが難しくなるのではないか、プールの使用はどうするのか。
A .運動場については、これ以上狭くすることはしない、むしろ拡張へ努力する。
  体育館についても、いつでも<拡張できる準備をする。プールの使用については、
  他の施設の利用等も考慮し、授業時数等で調整を図ることができる。
Q3.志免西小学校評価委員会の視察があり、学校評価を受けた。一部を紹介。
A .イ)大規模校にも係らず、子ども達が落ち着いて勉強、どの学級もしっかりした
    授業であった。
ロ)1年生でも落ち着き、難しい授業にもついていっている。授業の基本が学校全体
  よくできている
ハ)校内の子どもの作品、掲示物が整理され、学校全体が綺麗(きれい)で
   すっきりしている
ニ)今行っていることを、是非継続して欲しい。学内の子どもの勉強は、子どもんの多少
  によって決まるのでなく、先生・児童・保護者・地域・行政等の総合力によって決まるもの、
  良き教育環境とは与えられるものでなく、自らが創造していくもの。大規模校西小がよき例
Q4.近隣の大規模校は。
A .福岡市や福岡都市圏周辺の自治体において1,000人以上の大規模校は6校あります。
  福岡県一のマンモス校は、小郡市のぞみが丘小の1,276人です。
4. 校区再編へ町民の知恵と意見を (西高東低型の是正)
(1) 学校と児童数の現況
分類 学校名 児童の最も多かった年 人数A H21年
児童数B
差 A−B  平成27年予測
西地区 西小 S..56年 947 979 +32 児童増<
300人〜400人
増築か新校舎か
東地区 中央小 S..58年 1,224 944 -280 児童1,000人の
東小 S..54年 737 505 -232 受入余裕
南小 S..57年 945 336 -609
3校計(人) 2,906 1,783 -1,121
4小学校計(人) 3,853 2,764 -1,089
西地区(西小)では、今後300人〜400人前後の児童増加が見込まれ、
増築か新校舎の建設かで大騒ぎ。東地区(三校)では、昭和50年代の
ピーク時に比べると1,000人以上の受入れ余裕あり。
(2) 不均衡の是正、校区再編の見直し
4小学校、2中学校について
@通学区域の弾力的運用、バス通学・スクールバスについての検討。
A学校選択制を取り入れ、抜本的校区再編の見直しについて全町的議論をすべき
  時がきている。
あなたの選択は
イ) 20億5千万円の新校舎建設で解決するのか。
ロ) 2億6千万円の増築の道を選ぶのか。
ハ) 革命的な『校区再編』で、一銭のお金も使わないで解決するのか。
                                      以   上