第20回議会報告
平成21年4月
目  次
[T] 行財政改革、5ヵ年計画、未達。
[U] 福岡空港問題、滑走路増設で決着。
福岡市との提携を積極的に。
[V] 渡辺通り、サンセルコビル内に、
運転免許証更新センター設置。
(高齢者、優良運転者利用)
[W] 若者に夢と希望のもてる社会を。
労働者派遣法の改正。
[T] 平成17年〜平成21年、行財政改革。5ヵ年計画、未達。
行財政改革、5カ年計画の目的とするところは基金(貯金)の取り崩しを
せず、90億円予算の組める土台を築き、健全財政を構築し、
安心して暮らせる町づくりを目指すものです。
5ヵ年計画最終年度の平成21年度予算は93億8千万円、基金の取崩し
1億2千万円で、目標の90億円予算は達成出来ず、単年度の赤字予算の
解消も出来ませんでした。
1.未達に対する反省も厳しさも希薄。
@ 未達の原因は何か、原因の分析が不十分だし、町民への説明も不十分。
原因の分析によって施策にどう反映されたのか不明。
A 未達に対する責任の所在を明確にすること。信賞必罰も。
2.5年間を通し、施策は総花的で重点事項が見えない。
@ 目標に対する達成意欲が希薄。
A 行政からのチャレンジとスピードが伝わってこない。
3.町民への説明が不十分。
現在進められている行財政改革5ヵ年計画とは何か。
誰のために、何をしようとしているのか。町民の暮らしに、
どう影響していくのか。ビジョンも示されず説明も不十分です。
町民の理解と協力がなければ、改革はできません。
もっと丁寧な説明を町民にすべきだと思います。
4.人材バンク創設で町の活性化を。
志免町は人材豊富な宝の山です。町内には各分野で活躍された、
活躍されている方々が在住されています。登録をお願いし、
町づくりに協力して頂ける制度をつくりあげるべきだと思います。
行政の是正を強く求めてきたなかの一部です。皆さんのご意見を。
[U] 福岡空港問題、滑走路増設で決着。
1.新しい滑走路の増設で決着。
現福岡空港の航空機の発着処理量が限界にきているとして、滑走路を増設するか、
新宮沖に海上空港を新設するかの2案に対する賛否が問われてきました。
最終意見は、現空港に新しい滑走路を増設することで意見がまとめられ、
国土交通省へ3月末報告されました。
長年の論議もようやく決着いたしました。
2.滑走路増設。
新しい滑走路は、現在の2,800mの滑走路の西側に、2、500mの滑走路が平行して
つくられます。工期は7年、事業費は2,000億円。年間の発着回数は現在の
14万5千回から18万3千回へ増え、20年後の需要増にも十分対応出来ること
になりました。
3.福岡市との提携強化を
空港と最も隣接する町として、福岡市ともっと交流を深め、提携を強化すべきです。
今までは提携に対する動きが少なかったように思われます。
今回の滑走路増設を機に、志免町からもっと積極的に行動を起こすべきと思います。
@ 空港災害、事故発生時の協力体制。
ア) 避難場所、病院、医療体制、南部消防署の応援体制,等等。
A 交通網の整備。
ア) 空港行きのバス(粕屋6町を含め)の整備。
イ) 空港周辺の道路整備と拡張。
ウ) 地下鉄延伸。
B 小・中学校の協力と情報交換。
ア) 志免町の4小学校、2中学校と隣接する福岡市の席田小、月隈小、席田中との
交流と情報交換を。(風邪情報、犯罪発生情報その他、保育園、幼稚園の
利用状況等の情報と協力を積極的に進める。)
イ) 隣接他町との学校間の情報の交換も同じ。
C 空港関係への協力。
ア) 志免町内に空港貨物の倉庫を誘致する。
イ) 空港関係者の住宅宿舎の整備に協力する。
D 福岡市空港担当部門との定期的会合をもち、情報交換と提携の推進を。
平成13年9月議会の一般質問にて福岡空港問題を取り上げ、現空港の拡張と
北九州空港、佐賀空港との連携を提言。平成15年からは国、県、市三者の
調査会議にも参加。意見を申し述べて参りました。8年と6ヵ月、皆さんのご指導、
ご支援を受けながら、粘り強く頑張ることができました。主張通りの結果になって
よかったと安堵しました。有難うございました。
[V]渡辺通りサンセルコビル内に、高齢者、優良運転者の運転免許証更新センター設置。
平成17年10月に「運転免許証更新の窓口を粕屋郡内に設置を求める」
署名活動を展開し、粕屋1市7町で13万人の署名(志免町は2万人の署名)を集め、
県警本部長に提出、検討して頂いて参りました。
今回の決定は本来の郡内設置には至りませんでしたが、
福岡市内渡辺通りサンセルコビル内に運転免許証更新センターが設置
され、高齢者(70歳以上講習受講者)と優良運転者が利用出来ます。
今年10月から運用開始となりますが、詳細については改めてご報告します。
今回の新しく運転免許証更新センターが設置されました最大の動機は13万人の
住民の署名簿でした。13万人の住民の思いが粕屋警察署を、県警本部を、
県を動かした最大の要因だと思いますし、画期的な快挙だと思います。
県警へ署名簿提出から3年7ヵ月、実現へ向けて頑張って参りましたが、
目的の一端を果たすことが出来ました。皆様のおかげです。
有難うございました。
[W]若者に夢と希望の持てる社会を。労働者派遣法の改正を。
前回の議会報告をお配りした折、ある高齢者の方から「私たち年寄りのことを
考えて頂くのは大変有難いと思いますが、今の若い人たちは気の毒。
これからの日本を背負って立つ若い人たちが額に汗して働き、夢と希望の
もてるような社会になるよう、牛房議員、頑張ってください。」と言われたことが、
忘れられません。本問題は大きな課題で、不十分とは思いますが、
私の所見を交え、報告させて頂きます。
1.労働者派遣法と流れ
表1 労働者派遣法の推移
1985年(昭和60年) 労働者派遣法の制定。13業種に派遣認可
1999年(平成11年) 製造業、建設を除き、原則派遣の自由化。
2001年(平成13年) 小泉内閣発足。規制緩和へ。
2004年(平成16年) 製造業の派遣解禁。派遣労働者急増。
2007年(平成19年) 製造業の派遣受け入れ、期間1年を3年に延長。
2009年(平成21年) 3年目の期限切れの年。非正規社員の大量失業。
1985年に制定された労働者派遣法は、これまでの労働者の貸し借りは違法とする
考え方を一変し、13業務に派遣を認めることになりました。
バブル崩壊後は、小泉内閣の規制緩和と日経連の要請もあって、
派遣業務は拡大。人材ビジネス、派遣事業と一層の推進が図られましたが、
反面、低賃金のパート、フリーター、日雇い労働者が急増。貧困者、格差社会をつくり
出すことになりました。2004年には製造業にも派遣が認められる改正がなされ、
日本はOECD中、最も派遣規制の甘い国となりました。表向きは「多様な働き方の
時代に合わせて」ときれい事を言いながら、実際には企業の思いのままに超低コスト
の労働力を調達し、景気の調整弁としての役割を果たし、非正規労働者が
「いざなぎ超え」の好景気を支える一因となりました。非正規労働者の割合は
2007年以降は3人に1人の割合となり、急増中です。
表2 非正規労働者 人数の推移
2000年 138 万人
2004年 226 万人
2007年 381 万人
2.「いざなぎ超え」の高度成長を支えた派遣労働者は、景気の終焉と共に一番に解雇。
戦後最長と言われた「いざなぎ景気」を超えた高度成長(平成14年2月〜
平成19年12月)の特色は外需頼みの景気と言われ、
輸出は年平均11.4%の高い伸びに対し、国内消費は僅か1.5%増、
雇用者報酬に至ってはなんと−0.3%。「肥る企業、やせる家計」と
呼ばれました。特に史上空前の企業収益の一番の貢献であった低賃金の
派遣労働者は何ら恩恵にあずかることはありませんでした。
年収200万円以下といわれるワーキングプア、貧困層は1,000万人に
及び、大勢の若者は低年収で結婚も出来ず、家庭も持てず、絶望の淵に
立たされています。更に追いうちをかけるように、
昨年秋のリーマンショックからの世界大不況に入るや、一番に解雇され、
職、住、食をいっぺんに奪われ、路頭に放り出されました。こんな不条理、
非情なことが、平気で行われる社会に憤りすら覚えます。
社会の安定を壊して、経済成長は有り得ません。早急に労働者派遣法を
見直し、正規社員、非正規社員の格差をなくし、同一労働、同一賃金に
ただすべきだと思います。
表3 派遣労働者の失業見込み数(平成20年10月〜平成21年3月
派遣労働者 失業者見込数発表 派遣労働者、失業見込数
平成20年 10月 30,000人
平成21年 1月 125,000人
平成21年 2月 158,000人
平成21年 3月 184,000人
3.市場競争より社会生活の安定を。
経営者の務めは従業員の雇用を守り、暮らしを守るのが一番の務めであり、
責務であったと思います。それが今では国際競争だ、グローバル化だ、
市場主義だ、等々、アメリカ型の経済の考え方に追随し、日本企業の雇用
守るという哲学は葬りさられてしまいました。労働者派遣法は構造改革、
規制緩和の流れから生まれたものですが、たった一片の法律によって、
年収200万以下のワーキングプア、貧困層1,000万人が生まれ、
格差社会をつくり、大きな社会不安を生じせしめた罪は大きいと思います。
ここまできたら市場競争は後回しにしても、先ず、今までの外需頼みの経済
から、国内消費力をアップさせ、内需拡大へ方向転換すべきと思います。
そのためには、労働者派遣法を見直し、非正規社員の賃金を正社員水準
まで引き上げ、若者が額に汗して働けば、人並みに結婚し、家庭の持てる
社会に戻すべきです。更に、社会保障制度を根本から改革して、
安心の子育て、安心の老後(年金、医療、介護)を築き、安心してお金の
使える社会をつくるべきだと思います。足もとの地域、町から、1人1人の
町民の安心づくりのため、尽力したいと決意しております。
皆さんはどう考えられますか。
国の問題ではなく、私たちの問題です。
人任せでは、解決にはなりません。
私の所感です。ご指導をお願いします。