第12回議会報告
”政治は誰のためにあるのか?””住民のためにある”
ある失業サラリーマンからの伝言(H16.5.27西日本新聞掲載の一部)
「むなしく求人ファイルをめくり続ける毎日です。希望する営業職は判で押したように[45歳まで]。
たまに条件にあう求人があっても、50歳を過ぎては体力的に無理と敬遠される。公共職業安定所
に通う男性(52歳)は4年前に25年間勤めた投資信託会社をリストラされ、失業が原因で離婚、
長女(22)は妻(48)が引き取り、長男(19)は私が引き取り二人で暮らしています。
リストラで失ったのは食い扶持だけじゃない、社会的地位、誇り、そして家庭・・・・私を満たして
くれていた多くのものが奪われてしまいました。息子から「良い仕事みつかった?」と聞かれるとき
本当に自分が情けなく、この辛さあなたわかってくれますか・・・・・。」こうした苦しみに耐え、
明日への希望を求めて頑張っている人々のためにこそ道を拓くのが政治の仕事であり、為政者
の務めである。それがどうか一国の首相を務めた人が料亭で1億円の小切手を受け取りながら
東京地検の調査が入ると「忘れた」「記憶にない」。この人が私たちの選んだ首相だったのかと
思ったら腹わたの煮えくり返るのを覚える。市議が結託をして、3億円余の庭石、ケヤキを市議
のファミリー企業が転売、転売して元助役が社長で勤める「博多港開発」が購入した。
値段はなんと元値の約2.5倍の7億7,500万円大部分が住民の税金でまかなわれてる。
政官癒着の構図、ケヤキ1本30万円がなんと100万円以上で購入されたことになる。こんな
馬鹿げた話が実際にあった。政治家も役人も国民、住民のために存在するはず、それが欲と
金に目がくらみ、失業であえぐ民が忘れられ、医療費、介護費の高騰であえぐ高齢者たちが
忘れ去られてしまっている。「政治とカネ」政治家自らが断ち切ることができるか見極めたい。
私も地方議員の1人。政治は誰のためにあるのか、行政は誰のためにあるのか、原点に立ち戻り、
志を高く、これからも皆さんのため奉仕する議員として走り続けたい。今回の議会報告は
平成15年度(昨年)の決算が確定しました。志免町の財政状況と問題点について下記3点を
中心にご報告します。
T.志免町の財政の概況(町の財政は大丈夫か)
U.財政上の問題点(緊急に改善すべき点は何か)
V.行政改革5ヵ年計画について(平成17年度からスタート)
T.志免町の財政の概況 〜 町の財政は大丈夫ですか 〜
(1)歳入、歳出の推移
平成11年 12年 13年 14年 15年
歳入 101億5千万円 102億2千万円 103億8千万円 116億8千万円 129億4千万円
歳出 94億7千万円 94億7千万円 97億8千万円 108億4千万円 119億6千万円
平成14年度〜15年度にわたり歳入歳出とも100億円を大きく上回った。
理由は大型のハコモノ建設が続いたことによる。
【平成14年度主要工事】 計 18億3,600万円
  ・シーメイト建設工事         8億 200万円
  ・志免中・東中給食棟工事 9億2,200万円
  ・志免中・東中給食棟工事 1億1,200万円
【平成15年度主要工事】 計 30億4,600万円
  ・シーメイト建設工事(継続) 27億5,700万円
  ・志免西小増築工事 2億8,900万円
(2)町の基金(貯金)と町債(借入金)の推移
基金は減り、借入金が平成14年、15年にかけて大きく増えていますが大丈夫ですか。
平成11年 12年 13年 14年 15年
基金残高
(貯金)
61億1千万円 63億9千万円 66億3千万円 59億8千万円 50億3千万円
町債残高
(借入金残高)
65億0千万円 62億1千万円 59億0千万円 68億8千万円 91億0千万円
平成14年度〜15年度にわたり基金が減り、借入金が大きく増えた理由は、
大型建設工事が両年度に集中したため、資金調達として、基金、借入金、
一般財源が利用されたためです。平成16年度までこの傾向は続くが
平成17年度以降3年間くらいで借入金は前の水準の60億円台にまで回復できる見込。
今回の大型ハコモノ工事は、町民全体の福祉増進を意図するものであり、また、
中学校の給食棟は教育環境を良化し、心と体の健全性を求めるものであり町づくりの
基盤整備のためのものです。ただし、厳しい財政事情を考えるとき今後のハコモノづくり
には厳しく対処していく必要がある。安易なハコモノづくりは厳に慎むべきと考える。
(3)財政の健全性をチェック
イ)町税(町民みなさんの納める税金) 〜 横ばいから低下へ 〜
しかも未収額は3億円前後が続き、不納欠損額が急増。
平成11年 12年 13年 14年 15年
徴収額 43億9千万円 43億7千万円 44億3千万円 44億4千万円 43億5千万円
収入額 40億9千万円 40億6千万円 41億6千万円 41億4千万円 40億3千万円
未収額 3億0千万円 3億1千万円 2億8千万円 2億8千万円 2億9千万円
不納欠損 908万円 703万円 1,790万円 2,312万円 3、083万円
ロ)地方交付税の推移 〜 国からの町への仕送り分、大きく減額へ 〜
平成11年 12年 13年 14年 15年
地方交付税の金額 23億19百万円 24億24百万円 21億52百万円 20億31百万円 16億72百万円
地方交付税とは町の財政力に応じて、国から交付されるお金、財源は所得税、法人税、
   酒税などです。郡内でも志免町、粕屋町は他に比べ財政力が高いため交付金額は少ない。
ハ)健全性のチェック 〜 総合的に良、青信号 〜
経常収支比率 町税、地方交付税など自由に使える収入に対し、
人件費、施設の維持など決まって出て行くお金の割合
80.8%
黄信号
財政力指数 道路、学校など町民の生活に必要な標準的経費に対し、
町税や負担金、手数料などの収入がどの程度あかるを示す
数値。「1」であれば自分たちのお金で町が運営できる。
0.685
青信号
公債費比率 入金が町政に及ぼす影響を知る数値の一つ。
低ければ低いほど色々な仕事ができる。
9.5%青信号
U.財政上の問題点(緊急に改善すべき点は何か
下記の2点を指摘、行政の早期取り組みと改善を提言した。
(1)税金、使用料などの収納率を向上させること。
    志免町の税、使用料の平成15年度の滞納額は9億2,100万円で
    うち不納欠損額は8,741万円。(翌年滞納繰越額は8億3,300万円)
◇平成15年度分の徴収状況
調定額 収入済額 収納率 収入未済額 H15年度
不納欠損額
H16年度
繰越未収額
町税 43億5千万円 40億3千万円 92.6% 3億2千万円 3,083万円 2億9千万円
保険税 14億7千万円 10億1千万円 68.9% 4億5千万円 4,582万円 4億1千万円
下水道負担金
使用料
4億8千万円 4億4千万円 92.5% 3,601万円 189万円 3,411万円
水道使用料金 9億7千万円 8億7千万円 90.0% 9,625万円 887万円 8,738万円
介護保険料 2億8千万円 2億7千万円 92.5% 万円 万円 830万円
合計 75億6千万円 66億4千万円 87.8% 9億2千万円 43億5千万円 8億3千万円
(不納欠損額・・・徴収不可能分)
(繰越未収額・・・H16年度の徴収に持ち越される分)
(2)国民健康保険、老人保健への一般会計からの繰入金を減らすこと。
平成11年 12年 13年 14年 15年
一般被保険者 7,423人 7,651人 7,855人 8,042人 8,480人
退職者被保険者 1,279人 1,368人 1,446人 1,502人 1,635人
国保老人被保険者 2,450人 2,619人 2,792人 2,952人 2,920人
合計 11,152人 11,638人 12,093人 12,496人 13,035人
平成12年 13年 14年 15年
一般会計から特別会計の
国民健康保険へ繰入
4億5千万円 4億8千万円 4億1千万円 4億8千万円
一般会計から特別会計の
老人保険への繰入
億3千万円 2億8千万円 2億2千万円 2億5千万円
毎年一般会計の中から
支援される金額は (計)
7億8千万円 7億6千万円 6億3千万円 7億3千万円
高齢者の増加に伴い、医療費、介護費が増え保険税、介護保険料のみではまかないきれず、
一般会計からの繰入支援となる歯止めをかける方策は唯一つ、高齢者になっても病気や
介護を必要としない健康づくり。ウォーキングとステップ運動の推進を提言する。健康課を中心に
行政一丸となって取り組み中。
(3)財政上問題点の解決は。
  税金、使用料等の滞納分8億3,000万円と、国保、老人保への一般会計からの
  繰入金の7億3,000万円、計15億6,000万円を減額することへの方策と
  努力こそが行政改革の第一歩。
V.行政改革5ヵ年計画について(平成17年度からスタート)
   平成16年6月、志免町行政改革の骨子が発表されました。
@「志免町行政改革推進本部」の設置
 ・平成16年6月7日設置・・・町長を本部長とし、課長補佐以上で構成
 ・「志免町行財政再構築プラン(案)」を7月策定
A「志免町行政改革推進委員会」7月26日設置
 ・「志免町行財政再構築プラン(案)」を諮問
B平成17年4月〜平成22年3月、5ヵ年計画の発表
 ・地方分権に対応できる行政の体制づくりを目的とするもの。
(1)下記事項は私が町長へ一般質問した事項と内容です。
   みなさん自身からも是非、確認いただきたいと思います
  イ)町長の町づくりのビジョンを明確に示していただきたい。
  ロ)町づくりビジョンを達成するために、なぜ今回の行政改革が必要なのか。
    ハ)志免町の行政改革を進めるにあたり、5年間に具体的に何をするのか。
    5年後の町のくらしはどう変わるのか。改革の目標とスケジュールを
    明示すること。
(2)行政改革を成功させるため、まず足元の改革から
  イ)「明るい元気な挨拶」再度徹底を。
    相手のこころにしみ込む挨拶を。
  ロ)庁内職員が一丸となる。
   a.正職員241名、臨時職員195名、計436名全員が町長の分身。
   b.臨時職員、嘱託職員資格の延長
     臨時、嘱託職員で頑張る優秀な人は期間を延長する。
   c.臨時職員、嘱託職員から管理職を登用
  ハ)提案、表彰制度の実施。全職員436名のやる気を引き出す。
     職務の効率化、簡素化への提案、その他、提案、提言、施策等、
     意見の積極的吸い上げ。
南里町長
いろいろなご提言を頂きました。全部確約というわけにはいきませんが、
できることから取り組んでいきます。
最後に、私も行政改革という大きな仕事に取り組むにあたり、内部の意識の
高揚と、庁内職員結束一丸となって取り組んで参ります。